Building and Policies 
 むてんかスタイルふくろや の 家づくり

 
 

新基準・家づくりの「ものさし」
 
カテゴリー4.【構造】

建物を長持ちさせるためには、建物の柱や梁などの構造部材が腐食しないような造りでなければなりません。この造りを無視したままで、耐震性を上げても、部材を大きくしても、時間が経つにつれ、建物の強度が弱ってきますので、根本的な解決にはなっていないのです。
 
 

接着剤の耐久年数は20~30年。多湿地域ではさらに早まります。


一般的な住宅では、柱や梁の主要構造部に集成材を用いたり、外壁や床の下地材に構造用合板を使用しています。これらは、木と木を接着剤で貼り合わされたもので、初期強度だけが強いのが特長です。しかし、年数を追うごとに接着剤の劣化が進み、約20~30年で強度が無くなり、寿命がきます。さらに多湿地域では、この年数が縮まります。
 
ポイントは構造材には、接着剤を使用した木材を使用しないことです。
 

  
 接着剤で貼り合わされた構造用集成材    接着剤で貼り合わされた構造用合板

 
 
 
 
 
逆スラブ基礎で、地盤との密着度UP


一般的な建物の基礎はベタ基礎という形状が多いが、床下空間を作るために基礎コンクリートの立上り部分(腰壁)が出てくる。建築では力は3つの要素からなり、「曲げ」「圧縮」「引っ張り」があり、コンクリートの耐久年数は約60年と言われているが、横から力が加わった場合にこの「曲げ」に対して耐えきれなくなる。この立上り部分を無くし、逆に地中に突き出し、地盤との密着度を上げると、コンクリートが建物の重さを支え、地盤と一体化する。
 
 
 奄美大島では、構造用集成材が築13年で接着面が剥離
 
 奄美大島にある大きなホールでは、築13で構造用集成材があちらこちらで、接着面が割れており、パテで補修した跡が数多く見られます。これは、本州より特に南の方は湿度が高いということから、接着面が加水分解により劣化したものと推測します。

 

高温乾燥材(KD材)は木の油分が飛んでいるので、天然乾燥材が良い。

本来、ヒノキや杉のような針葉樹の中にはたくさんの樹脂というものが含まれています。これは字のごとく木の油なのですが、木が自然乾燥すると水分が飛んで樹脂の固まりとなって木の中に残ります。いわゆるこの状態が、琥珀や油絵具と同じものになるのです。琥珀や油絵具を使った絵画が腐るでしょうか?実はこの樹脂にによって木は昆虫や菌類から守られていたのです。

今や国内の工務店や住宅会社の99%以上が高温乾燥材の木材を柱や梁などの主要な構造材に採用しています。では、どうして高温乾燥材を採用したのでしょうか?

それは、消費者の方が柱が割れているとか、収縮で狂いが生じているなどの苦情が出てきたので、材木屋は反らない・狂わないという目的のためだけに、高温乾燥材(キルンドライ【KD材】)を供給しはじめたのです。高温乾燥の窯に入れると、例えばゴボウを電子レンジで温めたようなものになり、木の中にある樹脂は100度以上になると、水と一緒に沸騰して木から出ていき、揮発してしまいます。残った木は植物繊維のみの無毒に近い状態になり、その木は濡れてしまうと菌糸が繁殖しやすくなるのです。ヒノキや杉は元々防虫効果のある木で腐りにくいですが、高温乾燥すると、防虫成分が揮発していってしまうのです。
 
ですので、木材はできる限り、天然乾燥させた物を採用する方が良いのです。
 
 
 

 
 

RC造は耐震だが、木造は耐震より制振の方が良い。

 阪神大震災や東北大震災、熊本大地震などの災害が起こる度に耐震強度を高めるような話題が出てきますが、「耐震」とひとくくりにしてしまっても良いのでしょうか?

確かに建物を耐震化して、次の災害に備えることはとても重要なことです。日本の建物には大きく3つの構造が主流で、鉄筋コンクリート造と鉄骨造、木造とあります。建築業界でいう耐震は主に鉄筋コンクリート造のためにあります。鉄筋コンクリート造は、コンクリートと鉄筋からなっていて、コンクリートは圧縮に耐え、鉄筋は曲げと引っ張り力に耐えるので、相乗効果で耐えています。しかし、鉄骨造と木造は地震に対しては靭性といって、しなりの柔軟な力で耐えています。

ここ最近では、長期優良住宅という規格がありますが、これは耐震等級が「2」必要になります。この等級を確保するためには、床の剛性を高める必要があるのですが、床が強すぎたためか、社会実験で倒壊しています。さらに熊本大地震でも耐震等級2の家が倒壊しています。さらに等級を上げようとする話も出ていますが、木造は元々しなりの柔軟な力で耐えるものなので、耐震を上げ過ぎると各部位に負担がかかり、さらに倒壊するのではないかと懸念されます。

木造は、しなりの柔軟な力で耐えるため、大きく揺れが生じます。そのため建物内部の家具などが倒れる心配があるので、制振力で揺れを極力小さく抑えるようなことが必要になります。
 
木造は、耐震を高めるより、制振を高める方が良い
 
 
 
  
■米のり VS 化学接着剤


一般的な住宅では構造用の柱や梁、合板といったものに使用されているイソシアネートという接着剤と無添加住宅では家具や扉などに使用されている米のりと比較してみることにした。
 
 

種類 イソシアネート
(化学接着剤)
酢酸ビニル樹脂
(化学接着剤)
米のり
接着力
(初期強度のみ)
耐久性 ×
(20~30年)
×
(20~30年)

(200~300年)
安全性(健康) ×

手軽さ


燃焼ガス ×
(青酸ガス)

◎ 

用途 構造材

内装下地材

家具・扉


 
一般住宅に使用される接着剤として、一昔前はレゾルシノールという化学接着剤が主流でしたが、ホルムアルデヒドの規制ができたため、イソシアネートという接着剤に代わりました。しかし、防腐効果としての代替物質を添加しているため、健康にはあまり良く無く、さらに万が一、火事になった場合は、窒素(N)を含むため、燃焼ガスとしてシアン化水素(青酸ガス)が発生するため、死亡の原因にもなります。

木と化学接着剤は全く化学式が異なりますが、木はセルロースといい、米はでんぷんです。このセルロースとでんぷんとは、化学式が手のつなぎ方は少し違いますが、どちらもC6H10O5で、実は同じです。同じということは、湿気を吸ったり吐いたりしても、膨張率が同じなので、伸び縮みも同じということです。現に鎌倉や室町時代の仏像はでんぷん糊で接着されています。寿命はといえば300年くらいはもつと言われています。一方化学接着剤の寿命については、素材のコーナーで紹介します。

お米は熱によってα化(高分子化)し、固まると食物繊維のセルロース、つまり木と同じようなものに変化するからです。木と木を米のりで接着した集成材は気温や湿度によって多少集成材が膨張したり収縮しても、米のり自体が木と一体化しているので、剥がれることはありません。

無添加住宅では、構造材にはとても大きな力がかかるので米のりは使っていませんが、扉や家具などに使っています。米の部分にカビなどが生えないように塩を混ぜています。魚などは保存食で塩漬けにするのはそのためで、腐りにくくするためです。
 

 

G-SHOCKの開発中になぜか壊れる不思議
 
腕時計の耐久性では群を抜いた高性能なカシオのG-SHOCK。この製品が出来上がるまでにとても苦悩に悩まされていた。それは、落としたときに(ダイレクトに時計の中心部に衝撃が伝わるのではなく)、5段階で衝撃を吸収する仕組みにして、部品の強度を上げる方向で作ることにした。
 
そうすると今度は「電子部品が1つだけ壊れる」という現象に悩まされるようになった。1つだけパーツが壊れるのです。壊れないようにパーツを強くすると、今度はその次のパーツが壊れる。壊れたパーツを強くすると、今度はその次が……という感じで。堂々めぐりで、1つだけ部品が壊れ続ける。
 
最終的にできたのは、5段階で衝撃を吸収したあと、最後のモジュール部分に衝撃が伝わらないように、宙吊りのように大事な部分が浮いたような状態を作り出すことにしたのです。 

 
 
 
 
 

  
  
  
  
  
  
  
  
健康(Healthy)

【空気】人は1日24時間に空気を13000~14000リットル吸うと言われています。その空気に健康を害するものが混じっていても選ぶことはできません。

【温度】夏、暑い部屋で熱中症によるものや冬、家と外との間での温度差によるもので死亡が増加しています。

【食】ガンの死亡の原因は食によるものが一番多く、また日本の台所でダイオキシンが発生する異変が起きています。これらは住むための最低限クリアしなければならない要素なのです。

長持ち(Durability)

【構造】耐震を強くするには接着剤で固められた木でされています。この接着剤の耐久性は年々劣化していき、20~30年で無くなります。

【湿度】気密性の高い家では、一旦湿気が見えない部分に発生すると、抜けていかず、木や鉄を腐食させます。

【素材】有機物・特に石油製品は加水分解と紫外線で劣化が進行します。また見た目ツルッとした表面材は火事には青酸ガスが発生します。これらは、法律には載っていないとても大事な要素です。

暮らしやすさ(Livability)

【間取り】植物は太陽の光を浴びて、酸素を作り出し、その植物を動物が食べ、その肉を人が食べています。またカロリーとは熱量のことで、太陽が無いとカロリーが生まれず、食べ物も生まれず、体の原動力となるものが無くなります。その太陽の差す方向や時間、風の流れる開口部、長く持つための可変性などとても大事です。
【自然】化学物質や工業製品では人間そのものの力やポテンシャルを発揮できず、ギスギスした生活になりがちです。自然の一部にでも触れることで暮らし方が変わります。
【心地よさ】長く住むためには飽きの来ない自分の好きなことに没頭できる又はゆっくりとした時間が持てる空間が必要になります。