無添加住宅原点視察ツアーで学んだこと
ヨーロッパのデザインを学ぶためだと思っていた |
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2012年に無添加住宅のグループで、無添加住宅創設者の秋田憲司氏と無添加住宅の原点であるヨーロッパを視察するツアーの第1回目に参加しました。ツアーはフランス南西部であるトゥルーズ~コンク~カルカソンヌ~カンパン~ルルド~アンドラ公国~スペインバルセロナが最終地となり、7日間のツアーなのですが、初めの段階からコンクに到着するやいなや、村全体を見わたして、身震いするほど感動が伝わってきました。なんと、300~500年ほど経っている家ばかりなのです。
無添加住宅の原点はここにあった! |
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ここがアンドラ公国といい、フランスとスペインの国境に位置する小さな国です。ここは、消費税がとても低いので、周辺の国から買い物にやってくる方が多いのです。実は、ここに建っている家が、当時無添加住宅の創設者「秋田憲司氏」が感動され、デザインの原点となりました。外壁は石積み、屋根も石積みというとても自然な素材の特長が現れたデザインとなっています。
サグラダファミリア寺院には、裏があった
ツアーも最終日。スペイン・バルセロナにある建築家ガウディが設計した「サグラダファミリア大聖堂」です。一生に一度は見たいと常日頃から思っていたのですが、見た瞬間、鳥肌が立ち、感動しました。バスの中では添乗員さんからの説明で、この建物は、何百年とかかるのですが、あと14年で完成することになりましたと伝えられ、私は何か変だなと感じました。その後、建物の周囲をじっと見渡していると、工事中の部分に大変なものを見つけました。それは、あのガウディが長年かけて積み上げてきたのは、石造りなので、時間がかかっていたのですが、コンクリートで造られているところを見掛けたのです。私は、もう愕然とし、なぜ、あと14年で完成するかが、わかりました。しかし、これはガウディが喜ぶでしょうか?せっかく手前の世界遺産である5本の塔を石造りで造ったのに、他の全体部分はコンクリートにされていた。石造りの部分は今後、何百年経っても、劣化しませんが、コンクリートで造った部分は、100年も持たず、100年以内にまた建て替えが余儀なくされます。私は今回のツアーの集大成だなと実感しました。目先のことだけで、安易に造ったものは、後世まで引き継げないと確信しました。
ツアーの目的は「建築の寿命」だった
国内でも多少の気候の違いや地震の頻度が異なることはありますが、しかし根本的な考え方が、ヨーロッパと日本とでは異なってしまっていると感じました。
昔は日本もモノを大切にし、昔からある伝統的な建築は大事にされてきたはずが、高度経済成長の時代から、建てては壊し、建てては壊しという風潮が当たり前になってしまったので、このような差が出てきたのだと思います。また、建てられたお客様も自分でできないことは仕方ありませんが、何かあれば、工務店や住宅会社を呼ばれ、自分で治そうとはしません。せっかく高いお金を払ったのだから、もっと愛着をもって欲しいなと思います。雨漏れや壁にひび割れがあれば、建物が壊れるのではないか?ほとんどの方はそう思われています。それは、この現代の新建材と新工法で建てられているからなので、昔ながらの家が呼吸する工法で建てていれば、そのようなことが起こっても、壊れることなどありません。
新建材や新工法を次から次へと開発していく日本ですが、もっと原点に立って本来の家とは何か?ということをゆっくり考える時が来ているのではないでしょうか?